虫歯を放置したままにしておくと虫歯の細菌が歯の内部まで進行、歯の中心にある歯髄が感染し、やがて歯がボロボロになって弱くなったり、歯ぐきが膿んできたりします(歯内感染)。この歯内感染がひどくなると、最悪の場合、歯を抜くことになります。
虫歯が進行し歯内感染した歯を再び自分の歯として使えるように除菌する治療を歯内治療(根管治療)といいます。歯内治療は症状が進むほど難易度が高くなり治りにくくなります。
精密な根管治療
歯内治療(根管治療)とは
歯の内部構造
-
エナメル質
歯の表面を覆っている、硬くて白い殻の部分(お口を開けたときに見える歯は、このエナメル質です) -
象牙質
いわゆる「歯の本体部分」で、軟らかい歯質でできています(硬いエナメル質によって守られています)。 -
歯髄
歯の内部の中央にある空洞部分。歯の根の尖端に小さな穴が空いており、歯ぐきから分かれた細い血管や神経が入り込み、この空洞部分を満たしています。歯髄は、歯の根に行くほど細くなっています。 -
セメント質
歯の根の表面を覆う薄い層。
歯内感染(ひどい虫歯)
歯の表面にできた虫歯は時間とともに内部に進行し、歯の内部が細菌感染して徐々に重症化していきます。歯の構造はとても複雑なため、細菌の内部感染も複雑に進行していきます。
- 【I期】
- 虫歯が歯の内部の空洞(歯髄)まで達すると、この空洞全体が一気に細菌感染します。
- 【II期】
- Ⅰ期の状態を放置すると感染はさらに周囲に波及し、病状を徐々に深刻化させます。
拡がり方は以下の2つです。
- 歯の根の歯質への感染拡大
(歯根部歯質感染) - 歯ぐきへの感染拡大
(深部歯周組織感染)
病状がI期からII期へ進むと治療の難易度が高くなり治療の成功率が低下します。
いちょう通り歯科こども歯科の
歯内治療(根管治療)
いちょう通り歯科こども歯科では保険で行う歯内治療と自費によるの歯内治療の、2種類の治療方法を実施しています。歯内治療は内部感染の状態や歯の内部構造の複雑さなど条件の違いによって、治療にかかる時間が大きく変わってきます。軽症の場合は1~2回で済みますが、重症の場合は数ヶ月を要することもあります。
①保険による歯内治療(根管治療)
健康保険で定められた要項に基づいて行う歯内治療です。術式は簡潔で、使用できる薬剤や処置法に制限があります。
②自費による 精密な歯内治療
(マイクロ根管治療)
大切な歯をきちんと残すため、当院ではマイクロ根管治療に力を入れています。徹底した滅菌対策を施した衛生的な環境のもと高品質な薬剤、マイクロスコープや歯科用CTなど先進医療機器による精密な診査・治療を進めることで、歯内治療の成功率を高め、従来では抜歯するしかなかった歯を残せる可能性を飛躍的に高めています。専門性の高い治療環境を整えることで安全に精度の高い治療を実現できるため、治療の成功率が高まり、病気の再発率も低く抑えることができます。
歯内治療(根管治療)の流れ
-
STEP.01根管長の測定
感染した神経を取り除き、根管の長さを測定します。 -
STEP.02根管内部の掃除
根管内部にある、虫歯菌に侵された象牙質などを完全に取り除きます。 -
STEP.03薬剤による無菌化
根管の汚れを完全に取り除いた後、細菌が残らないよう消毒して無菌化します。 -
STEP.04根管充填
根の尖端まですき間なく薬剤をつめて密閉したら歯内治療は終了です。